[CDレビュー] 退廃的でクール。弘田佳孝 / SHADOW HEARTS サウンドトラックレビュー

毎度!てりーです。
今回はPS2で発売されたゲーム「シャドウハーツ」のサントラレビューをお送りしますよ。ワタシの場合、ゲームをプレイした後にサントラを購入して楽しむ事が多いのですが、今回ご紹介する作品はゲーム未プレイで魅了されてしまった珍しいパターンです。

シャドウハーツ(SHADOW HEARTS)

シャドウハーツは2001年にアルゼから発売された、PS2用のRPGです。聖剣シリーズなどの作曲者である菊田裕樹氏が代表を務めた「サクノス」がアルゼに買収された後に開発した作品です。サクノス時代に「クーデルカ」を発表した1999年に、菊田氏は退社されています。

 

PS2初期に発売されたRPG、シャドウハーツ。20世紀初頭の中国やヨーロッパを舞台とする、一際異彩を放つ作品。

作曲者はだれ?

当作品のメインコンポーザーは弘田佳孝氏、そして数曲を光田康典氏が担当されています。二人の化学反応でこのCD、かなりとんがった内容に仕上がっていますよ。一言で言うと「真っ黒」。個人的には純粋な黒のイメージです。

アジア&ヨーロッパを感じさせる楽曲群

ポップオーケストラあり、トラッドあり、エレクトロニカ、アンビエントあり。なんと「二胡」のソロ曲まで入ってます。ただ、非常にクセのある内容なので好みが分かれるかもしれません。

この3曲!

3曲ほどレビューしてみます。

平原 [球-Qu-]  composed by 弘田佳孝

アジアっぽいアンビエント。曲名が素晴らしい。まさに球-Qu-です。左右でバリのガムランで使われている楽器だと思われる音が聞こえますが、時々リバースしていたりと小技が聞いております。この曲、ゲームのPVでも使われていたと記憶してます。延々と聞いていたい。

傀骸塔 [凶-Psycho Temple-] composed by 光田康典

今回はゲスト的に参加されている光田氏の楽曲。暗黒弘田氏(誉めてます)の楽曲が渦巻く中、流石の存在感です。リズム隊が心地よい疾走感を演出しつつ左で何とも光田氏らしい弦の刻み。1分辺りのブレイク時にはオーストラリアのディジュリドゥを一瞬だけ鳴らすあたり、何ともにくい。

狂気の神々の城II「Star Shape」composed by 弘田佳孝

弘田氏の曲の中でも一際クールな一曲。TR系キックの四分打ちリズムにエレピが交わり、ゲームのメインテーマである [Icaro 精霊の歌] のメロディが奏でられます。最終局面の楽曲で静かなエレピが鳴るとゾクっとしますね。乾いたサウンドです。

制作者の執念を感じるブックレット

このCDのブックレットも非常に渋い内容で、中国と欧州各地の写真が並び、フォトブックさながらの様相です。(24ページ中、17ページが写真です!)こんなサントラ滅多に無いですよ?ダウンロード販売では絶対に味わえない、今や珍しい作品です。購入される際はぜひCDで。

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